佐渡裕さん・コシノヒロコさん 芸術の楽しさで意気投合
ひょうごプレミアム芸術デー 芸文センターでコンサートと対談

兵庫県内の芸術文化施設が無料開放や特別無料イベントを実施する「ひょうごプレミアム芸術デー」の一環として、「佐渡裕芸術監督トーク&スーパーキッズ・オーケストラ ミニコンサート」が8月3日、西宮市の兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールで開かれた。約50分のミニコンサートに続き、世界的ファッションデザイナーのコシノヒロコさんが佐渡監督と約1時間にわたってトークを繰り広げた。

第1部は佐渡裕芸術監督とスーパーキッズ・オーケストラによるミニコンサートで観客を魅了した
(撮影:飯島隆/提供:兵庫県立芸術文化センター)

第1部は佐渡さんが率いるスーパーキッズ・オーケストラによるミニコンサート。同オーケストラは全国からオーディションで選抜された小学生から高校生までの弦楽器奏者で編成。佐渡さんの指揮・指導によるクオリティーの高い演奏で全国から注目を集めている。

この日は芥川也寸志「トリプティーク」の第1、2、3楽章、モリコーネ「ニュー・シネマ・パラダイス」(池田明子編曲)、メイヤー「1B~アパランチアン・ジャーニー」(同)、チャイコフスキー「弦楽セレナード」第3、4楽章を演奏。佐渡監督は「スーパーキッズ・オーケストラは子どもたちに夢を与えようと始まり、今年で20周年を迎えます。海外で活躍する卒業生もいて、世界をあっと驚かせることができるオーケストラを兵庫からつくっていきたい」と挨拶。アンコールにはアンダーソン「フィドル・ファドル」など2曲も飛び出し、フレッシュながら力強さがあふれる熱演に、聴衆は盛んに拍手を送っていた。

コシノヒロコさん(中央)とトークで盛り上がる佐渡裕芸術監督(右)

第2部はコシノヒロコさんが登壇。二人に共通する「アート=芸術」から話は弾み、「音楽とかファッションとか、縦割りは止めて、一体になると芸術はもっと楽しめるのではと感じています」とコシノさん。佐渡さんは一昨年に兵庫県立美術館で開かれたコシノさんの大規模展にふれて、「コシノさんのファッションと空間の使い方はすばらしい。オーケストラでも一人ひとりが個性的な服を着て演奏するなどしたら、また違う楽しみ方が広がるかもしれませんね」と応えていた。

佐渡監督とコシノヒロコさんの芸術談義に聴衆は聞き入った

海外経験が長い二人の話も盛り上がった。「ヨーロッパではオペラやオーケストラがすごく身近にあります。この劇場(兵庫県立芸術文化センター)は僕の誇りだけど、日本の人口を考えるともっと多くの人に楽しんでいただけると思っています」と佐渡さん。コシノさんは7月に鑑賞した佐渡監督プロデュースオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の興奮が冷めやらない様子で、「毎年あれだけの人が集まるのはスゴイ。私はどうしても衣装をチェックしてしまうんだけど、機会があればアドバイスしてみたいわ」とオペラ談義に花が咲いた。

また、芸術監督の活動を聞かれた佐渡さんは「毎回いろんなものを組み立てていくので、まるで工事の現場監督のような気分になるんですよ。いろんな人に出会うと多様な物の見方が知れて楽しいし、さまざまな物を乗り越えるからこそ、おもしろいものができていると信じています」と告白。コシノさんは「年齢はただの数字であって、大切なのは精神。これからの時代を担う若い人に私の経験をもっと伝えていきたいから、がんばらなくちゃ」と意欲を見せていた。

汐美真帆さん(前列左)と北川加奈さん(同右)の指導のもとダンス稽古を楽しむ参加者の皆さん

兵庫県立芸術文化センターはこの日、夏休み企画としてスタンウェイのピアノの演奏体験や小物作りのワークショップを開催。阪急中ホールでは元タカラジェンヌの出雲綾さん、汐美真帆さん、北川加奈さんの指導のもと、一般公募した参加者が稽古から成果発表を体験する催しがあり、3人からセリフや歌、ダンスなどの手ほどきを受けた参加者が阪急中ホールの舞台に立ち、照明を浴びながら音楽に乗せて、歌って踊る一幕もあった。




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